ソーラーパネル・蓄電池設置業者の選定方法

2024年現在、ソーラーパネルや蓄電池の設置業者はあまたに存在します。正直、どの業者さんを選べばいいか迷いますよね。そこで「設置する機器の発電・蓄電能力」「業者の経済的安定性」「近隣トラブル」「保証・工事の安定性」の4点に着目し、設置業者さんを選ぶと失敗しにくいです。なぜならば「同一の工事料金で多く発電・蓄電できる」「業者が倒産しにくいので保証が継続する」「近隣トラブルによってソーラーパネルを撤去せずにすむ」「万が一の雨漏り・故障が発生しても対応できる」からです。下記に詳しく解説します。

2024年現在、ソーラーパネルや蓄電池の設置業者はあまたに存在します。業者によって見積は100万円以上異なります。一方で安い業者の中には設...

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経緯

今回、私は東京都内に新築で建てた家にソーラーパネルと蓄電池を設置することにしました。

最初に見積をとった3つの業者さんは明らかに金額が高く、さらに提案内容もまちまちでした。そこで、さらに合計8社に見積を取ったり、自分でも調査をしました。その結果、冒頭で申し上げた結論に至りました。

発電・蓄電能力

ソーラーパネルの発電能力や、蓄電池の蓄電能力に着目した業者さんの選定方法を下記に紹介します。

パネルメーカー

台形の屋根の場合には長州産業製のソーラーパネルを、長方形の屋根の場合にはカナディアンソーラー製のものを取り付けることをおすすめします。

2024年現在、ソーラーパネルのメーカーの選択肢としては実質的に上記2社のいずれかとなります。台形の屋根の場合には、台形のパネルをラインナップしている長州産業が最適となることが多いです。台形のパネルを使うことにより、屋根の端のスペースを有効活用できるからです。

長州産業のパネルラインナップ一覧


長方形の屋根の場合には、発電効率が最大で21.0%と高いカナディアンソーラーが最適となることが多いです。

一部の設置業者では、片方のメーカーしか対応していないことがあり、自宅の屋根に最適となるメーカーを選定できないことがあります。我が家の屋根の場合には、長州産業のパネルを使うことで6.2kWのパネルを載せることができます。一方、一部の業者さんからは5.9kWのカナディアンソーラーの提案しか貰うことができませんでした。

蓄電池の設置容量

これは東京都内の場合限定のことにはなりますが、目安として、14kWh程度の蓄電池を設置することをおすすめします。

2024年現在、東京都の補助金を利用する場合には、目安として14kWh程度の蓄電容量までは実質負担金額はほとんど変わりません。なぜならば、蓄電池の容量が増えるほど補助金も増額されるからです。よって、実績の電気使用量が低い場合でも、余裕を持った容量の蓄電池を設置しておくことをおすすめします。意外と業者さんがこのことを知らないことも多く、こちらからリクエストしないと低い容量の蓄電池の見積もりになってしまうことも多いです。

ソーラーパネルの影

ソーラーパネル上にかかる影の影響を考慮して、ストリング(回路)を組んでくれる業者さんをおすすめします。

立地によっては、ソーラーパネル上に電柱や隣家の影が掛かることがあります。ソーラーパネルというのは、影が掛かった部分のみが発電しなくなるのではなく、同じストリング上のパネル全体が影の影響を受けて、発電能力が低下します。よって、なるべく影の影響を受けないようなパネルの設置位置であったり、ストリングの組み方であったり、あるいは影のかかっている時間帯の長い箇所については意図的に一部のパネルを設置しないということを提案してくれる業者さんをおすすめします。経験の浅い業者さんの場合「この屋根にはたくさんのパネルが乗りますよ」とだけ言って、影のことを一切考慮してくれないことがあります。

ソーラーパネル設置予定の屋根に、電柱の影が掛かっている様子


パワーコンディショナーの台数

パワコン(パワーコンディショナー)の設置台数をなるべく少なく提案してくれる業者さんが望ましいです。

パワコンとは、ソーラーパネルで発電した直流電源を、家庭用の交流電源に変換する装置です。ソーラーパネルの設置台数が多い場合、それに合わせてパワコンの設置台数も増やすことになります。これは、パワコン1台で変換できる発電量には限りがあるからです。ただし、安易にパワコンの台数を増やしてしまうことには注意が必要です。なぜならば、一般的にパワコンの寿命は10年程度と言われており、交換には1台あたり約20万円の費用が発生するからです。パワコン2台の場合には40万円となってしまいます。よって、多少のピークカット(発電量が最も多い時期・時間帯における発電のロス)で済むのであれば、パワコンを1台にした方が長期的視野ではより経済的であると言えるでしょう。

業者の経済的安定性

ソーラーパネル業界の倒産数は多いです。ソーラーパネル設置後に業者が倒産してしまった場合、雨漏り等の保証や定期メンテナンスを受けられなくなるなどの不利益が生じます。よって、以下に示す基準によって、なるべく経済的安定性が高く倒産しにくい業者さんを選定することをおすすめします。

金利

金利が低く倒産しにくい業者さんを選定すると安心です。

金利とは、ソーラーパネル設置時の工事代金のローンを組む場合に、支払う利息のことです。ローンを組まない場合でも金利について尋ねておいた方がよいです。銀行が業者さんの経営状況を確認し、経営状況が良いほど低い金利を適用します。よって、金利が低いほど倒産するリスクを少なくできるからです。目安として、2%未満であれば金利が低いと言えます。

支払時期

施工前に全額支払いをする必要のある業者さんのことは避ける方が無難です。

理由は、これだけで判断できることではありませんが、業者さんの手元のお金が少なく、自転車操業をしている可能性があるからです。工事後の支払いもしくは、工事前と後に半額ずつを収める業者さんであることが望ましいです。

設立年数

なるべく設立年数の古い業者さんが良いです。

なぜならば、最近は東京都の補助金が手厚くなっているため、誰がやっても儲かる構造になっているからです。設立年数の浅い会社の場合、補助金がなくなったとたんに利益を上げることができず、倒産してしまう可能性も高くなります。

資本金・従業員数

一般的に、資本金や従業員数が多いほど、会社が安定していることが多いです。ただし、この業界では中小企業が多いため、あまり業者間での差はありません。あくまでも参考です。

近隣トラブル

いくらソーラーパネルの発電能力が高くても、年間を通して近隣トラブルが発生してしまうと、近隣住民からソーラーパネルの撤去や追加費用の発生する対策を求められることがあります。必ずしも法的に対応する義務はないのかもしれませんが、近隣トラブルが起きると住みにくくなってしまいます。トラブルを避ける方法を下記に紹介します。

北側設置

北側の屋根へのソーラーパネル設置を進めてくる業者さんのことは、あまりおすすめできないことが多いです。

理由は、北側に設置したソーラーパネルに差し込んだ太陽の光が、近隣の住宅の窓に反射し、光害トラブルになる可能性があるからです。ある日突然、隣人が訪ねてきて「眩しいのでお宅のソーラーパネルを撤去してほしい」と言われるかもしれません。裁判になり、1審判決でソーラーパネルの撤去を命じられた判例もあります。また、そもそも北側だと夏の太陽の高い時期を除いてあまり発電しません。ただし、勾配が1寸程度で、近隣住宅の立地によっては光害が発生せず、なおかつ年間を通して発電できる可能性もあるので、この点については業者さんとよく相談されてください。

落雪

軒先の近くにカーポート、車、隣家の敷地、隣家の窓などがある場合には、落雪対策をしてくれる業者さんが望ましいです。

上記のケースにおいて、軒先一杯までソーラーパネルを付けた場合、屋根にもともと設置されていた雪止めを隠すことになり、雪止め効果が無くなります。これに加えて、ソーラーパネル上では積もった雪が滑りやすくなるため、通常よりも遠くまで勢いよく落雪します。軒先が上記のケースの場合には、落雪が上記のものを破壊し、トラブルとなる可能性があります。よって、軒先をあけて落雪しにくくするなどの提案をしてくれる業者さんが望ましいです。

なお、この落雪トラブルというのは雪国に限った話ではなく、南関東での発生件数が最も多くなっています。理由は、住宅間の距離が短いことと、たまにしか雪が降らないので落雪対策をしていないことが多いからです。

保証・工事の安定性

ソーラーパネル・蓄電池の工事は一度やったら終わりではありません。定期点検や保証が重要になってきます。

足場の設置

足場を設置して工事をしてくれる業者さんをおすすめします。

足場を設置しない場合「パネルを安定して取り付けられない」「工事の際に落下による怪我人や、周辺住宅の破損が起きる」などのリスクがあります。利益を確保するために、稀に足場を設置せずに工事を行う業者さんも存在するようです。なお、設置前の事前調査時に屋根に登る際には足場は必要ありません。

正規資格

設置する予定のパネルメーカーの正規資格を有している業者さんをおすすめします。

理由は、正規資格を有していないと、パネルメーカーの保証を受けられなくなるためです。例えば長州産業製のソーラーパネルを取り付ける場合には「御社は長州産業の正規資格を有していますか」と聞いてみましょう。

施工保証

念のために施工保証の内容と保証年数を確認しておくことをおすすめします。

多くの場合「雨漏り」「足場設置時の傷」などを保証してくれることが多いです。

点検

定期メンテナンスの有無・金額を確認しましょう。ソーラーパネルには4年に一度以上の点検が義務付けられています。多くの場合、下記のいずれかに該当します。

  1. 毎年、無料点検を実施する
  2. 要望があった場合に有償点検を実施する

必ずしも1が良いとは限りません。なぜならば、業者さんが計画倒産してしまった場合には点検を受けられなくなるからです。安定している会社で、なおかつ工事料金が安い場合にはもちろん1が好ましいです。2の場合には、なるべく金額の安い会社が良いです。この場合には4年に一度程度、点検を依頼するようにしましょう。

その他

念のために、工事実施時期について尋ねておきましょう。ほとんどの業者さんは早い場合で1.5か月、遅い場合でも3ヶ月後には工事を実施してくれます。一部の業者さんでは、支払をしたけれど数年たっても工事が実施されない、などのトラブルが起きることもあるようです。

まとめ

住んでいる地域によって、工事をできる業者は変わってきます。

ソーラーパートナーズタイナビといったソーラーパネル・蓄電池の業者比較サイトを使うことで、お住まいの地域で施工可能な優良業者を一括で紹介してもらうことが可能です。業者を紹介されたら、本記事に記載した観点で業者を比較、選定していくと良いでしょう。


 公式サイト


下記記事では、筆者が実際にソーラーパートナーズやタイナビ経由で紹介された業者から、どのような提案を受けたかを紹介しています。今回の記事は以上になります。

自宅に太陽光パネルや蓄電池を設置する際には、複数業者に見積もりを取ることや、必要事項をきちんとヒアリングすることが大切です。今回は、ソーラ...

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