自宅に太陽光パネルや蓄電池を設置する際には、複数業者に見積もりを取ることや、必要事項をきちんとヒアリングすることが大切です。今回は、一建設(はじめけんせつ)に太陽光パネルと蓄電池の見積もりを取った結果と、感想を紹介します。
我が家の特徴
我が家の屋根は、下のように東西北面の屋根から構成されています。素材はスレートです。東西面に太陽光パネルを設置した場合、メーカーにもよりますが大体6kW程度の発電容量になります。反射光による光害が発生したり、夏場を除いてほとんど発電しないため、北屋根にはソーラーパネルを設置しないことが一般的です。筆者宅は東京都のため、東京都の補助金を受けることが可能です。

きっかけ
筆者が購入した分譲住宅のビルダー(施行店)である一建設(はじめけんせつ)のカスタマーサポートに太陽光パネルと蓄電池を設置したいと相談したところ「今回は東京都の補助金が豊富なので、とてもお得な提案ができると思います!」とのことを言われました。その結果、紹介されたのがアイ・ビルドになります。基本的にビルダー自身が太陽光パネルを設置するということはなく、今回のように提携店が設置をするという流れになることが多いです。
会社の特徴
アイ・ビルドは1991年創業の会社です。創業歴が数年程度の会社が多いこの業界では老舗と言えるでしょう。太陽光パネルや蓄電池システムの施工のほかに外構工事も手掛けています。資本金は2,000万円、従業員数は120人です。
得意としている太陽光パネルメーカー
後述するとおり、アイ・ビルドの見積もりでは長州産業製の太陽光パネルとなりました。その他のメーカーについて取り扱っているかどうかは不明です。
太陽光パネルの配置・枚数の計算方法
図面を元に、机上計算にて太陽光パネルの設置枚数・配置を計算してもらいました。契約後に、屋根に登って実寸を測定するとのことでした。
提案内容
初回
相談してから2週間ほど後に、我が家に一建設とアイ・ビルドの方が一人ずつ来訪されて、対面で見積もりと提案内容の説明を受けました。
「最近電気代も上がってきており、ソーラーパネルと蓄電池を付けることで対策ができます」との説明を受けました。具体的にどれくらいの金額を節約できて、何年間で元を取れるかという説明はありませんでした。また、その他の説明で最も印象的だったのは「ソーラーパネルを付けると屋根に穴をあける工事をするため、屋根の防水保証が無くなります。今回弊社で工事をした場合には、この防水保証が継続して適用されます」との内容でした。
実質負担金額は234万円でした。
設置面…東西
蓄電池…マルチ蓄電パワーコンディショナ、全負荷、容量9.8 kWh
実質負担金額…234万円(税込)
補助金適用前金額…437万円(税込)
2回目
1回目の提案は相場よりも高くなっています。一般的に工事費込みの太陽光パネルの相場は26.1万円 / kW、蓄電池は同18.7万円 / kWh、パワーコンディショナーは同4.2万円 / kWとなっており、ここから計算すると369万円で済むはずです。ところが同社の見積もりは437万円となっており、約70万円も高くなっています。このことを担当者に伝えたところ、「今一度内容を精査します」との返事を受けました。2週間ほどして新たな見積もりが届き、実質負担金額は193万円まで減額された下記の提案内容となりました。
設置面…東西
蓄電池…マルチ蓄電パワーコンディショナ、全負荷、容量9.8 kWh
実質負担金額…193万円(税込)
補助金適用前金額…396万円(税込)
金利
仮にローンを組む場合の金利がいくらになるかは、確認できていないためわかりません。金利が安いということは、ローンを組む場合の支払い金額が安くなるというだけではなく、会社の経営状況が良いと銀行からお墨付きをもらっているということです。他社の場合、筆者が確認できた中で最低値は1.6%、最高値は2.75%でした。
メンテナンス
太陽光パネルや蓄電池の定期メンテナンスについては、確認できていないためわかりません。
営業の頻度
基本的に、こちらから連絡しない限りは営業の電話やメールがくることはありませんでした。
足場の設置有無
工事の際に足場を設置するかどうか?については聞いていないためわかりません。一部の業者では、見積を安くするために足場を設置しないことがあります。パネルの工事では足場を設置しないと危なく、さらに不安定な工事となり施工の精度が悪化します。
結果
ビルダーである一建設経由で工事を依頼できることにより、ビルダーの屋根雨漏り保証が途切れないことは魅力的です。一方で、他社と比べると実質負担金額がほど100万円高くなってしまうことは大きなデメリットです。二社が絡む分、工事費を中抜きされてしまっているのでしょう。
結局、経営が安定していそう(メンテナンスを継続できそう)で、実質負担金額も安くなる他社に工事をお願いすることにしました。(筆者注:一建設やアイ・ビルドの経営が不安定という意味ではありません)
まとめ
ソーラーパネルや蓄電池の業者の選び方を間違えると、100万円単位でお金を損したり、あるいは会社がつぶれてしまってメンテナンスを受けられないといった不利益を被る可能性があります。下記記事では業者の選び方を紹介しています。
尚、住んでいる地域によって、工事をできる業者は変わってきます。ソーラーパートナーズやタイナビといったソーラーパネル・蓄電池の業者比較サイトを使うことで、お住まいの地域で施工可能な優良業者を一括で紹介してもらうことが可能です。両サイトで紹介される業者は異なるため、両サイトに登録するのがおすすめです。業者を紹介されたら、上記記事に記載した観点で業者を比較、選定していくと良いでしょう。
今回の記事は以上になります。

