自宅に太陽光パネルや蓄電池を設置する際には、複数業者に見積もりを取ることや、必要事項をきちんとヒアリングすることが大切です。今回は、aoie社に太陽光パネルと蓄電池の見積もりを取った結果と、感想を紹介します。
我が家の構成
我が家の屋根は、下のように東西北面の屋根から構成されています。素材はスレートです。東西面に太陽光パネルを設置した場合、メーカーにもよりますが大体6kW程度の発電容量になります。反射光による光害が発生したり、夏場を除いてほとんど発電しないため、北屋根にはソーラーパネルを設置しないことが一般的です。筆者宅は東京都のため、東京都の補助金を受けることが可能です。

会社の特徴
aoie(あおいえ)は、2021年創業の会社です。創業2年となり歴史の浅い会社です。
再生エネ事業(太陽光パネル、蓄電池、V2H)をメインの事業としており、そのほかにオール電化や住宅塗装も手掛けています。資本金は999万円、従業員数は58人です。
きっかけ
筆者が2023年6月に新居に引っ越した1週間後に、aoieが我が家に営業にやってきたことがきっかけです。その場で図面を写真に撮ってもらい、1週間後にオンラインで打ち合わせをする約束をその場でしました。
得意としている太陽光パネルメーカー
aoieは長州産業、カナディアンソーラーの両方を得意としており、両者の工事資格を保有しています。我が家の場合には長州産業のパネルの方が0.3kW程度設置容量を大きくできるので、提案内容は長州産業となりました。
太陽光パネルの配置・枚数の計算方法
初期段階から屋根に登って実測し、それをもとにソーラーパネルの割付図を提案してもらいました。図面と実測とはずれていることがあり、より正確な提案が可能になります。他の会社では、通常、屋根に上るのは契約後となることが多いです。
また、一般的に、訪問販売の業者を屋根に上げると、屋根を壊されて修理代金を請求されることがありますが、今回はそのようなことはありませんでした。
提案内容
初回
初回のオンライン打ち合わせでは、筆者がソーラーパネルに詳しくなかったため「筆者宅には通常の東京都の家よりも2倍近くパネルを載せられること「全負荷と特定負荷の違い」「パワコンを1台にした方が交換コストが下がること」など基本的なことを説明してもらいました。提案内容は下記のとおりとなりました。実質負担金額は218万円となっており、このときにはわからなかったのですが、後から見返すと突出して高額でした。
設置面…東西
蓄電池…長州産業スマートPVマルチ、全負荷、容量9.8kWh
実質負担金額…218万円(税込)
補助金適用前金額…468万円(税込)
2回目
オンライン打ち合わせの1週間後に屋根を実測してもらい、さらにそのあとに来訪してもらい再度説明を受けました。最初の営業から約1か月後です。今回の説明者はオンライン説明時と別の方でしたが、筆者宅への提案状況を完璧に把握しており、中身は同じ人なんじゃないかと思うくらいでした。
2回目は下記の提案内容となりました。図面と実寸がずれていることがわかり、太陽光パネルの設置容量は6.2kWに変更となっています。蓄電池やパワコンの容量が増えており能力がアップしているにもかかわらず、値引きが入り実質負担金額は169万円まで下がっていました。筆者から価格交渉は行っていません。この時点で、筆者はどこの会社に依頼するか決めかねていたので、最終決定はしませんでした。打ち合わせ終了時に、担当者が「他社さんの安い見積があれば、ご提示いただければさらに割引も可能です」と言っていました。
設置面…東西
蓄電池…長州産業スマートPVマルチ、全負荷、容量12.7kWh
実質負担金額…167万円(税込)
金額…406万円(税込)
3回目
2回目の見積もりを貰ったのちに、167万円の工事費用の元をとるために必要な期間を自主的に計算したところ、20年になることがわかりました。
さすがに20年も経ってしまうとあまり魅力は無いです。そこで、他社の実質負担金額約80万円の相見積もりをaoieに提出したところ、1週間後に下記の実質負担金額81万円の見積もりが出てきました。この金額は、合計8社で取った見積もりの中で最安となったため、値引き交渉はここで終了しました。
設置面…東西
蓄電池…長州産業スマートPVマルチ、全負荷、容量12.7kWh
実質負担金額…81万円(税込)
金額…319万円(税込)
金利
仮にローンを組む場合の金利は1.9%となり、標準的な値です。金利が低い場合のメリットは、ローンを組む場合の支払い金額が安くなることだけではなく、会社の経営状況が良いと銀行からお墨付きをもらっているということです。
メンテナンス
毎年の無償点検が永年付与されるとのことでした。
営業の頻度
1か月に数回程度電話が掛かってきました。そのたびに、相見積もりを進めている状況を説明し、契約決定を先延ばしにしました。
足場の設置有無
工事の際には足場を設置するとのことでした。一般的に、太陽光パネルの工事では足場を設置しないと危なく、さらに不安定な工事となり施工の精度が悪化します。
結果
初期段階から屋根に登って現地調査をしていただけることや、毎年の無償メンテナンスは魅力的です。また、相見積もり後の実質負担金額も十分安い金額となっています。説明のたびに担当者が変わっても、情報が完璧に共有されていることにも好感が持てました。
一方で、創業が2021年と若く、しかも再生エネルギー事業しか手掛けていないことはデメリットです。あくまでも一般論としてですが「東京都の補助金が無くなった場合に、受注が少なくなってもこれまでと同じ規模で会社の事業を継続できるのか?」ということを考える必要があります。この場合のユーザー側のデメリットは、無償メンテナンスや故障時の修理を受けにくくなるということです。相見積もりをしていくと当初の半額以下に実質負担金額が下がることにも不信感があります。「あわよくば高い金額で契約を取ろう」という考えが見えてしまいます。
結局、aoieではなく、同程度の金額を提示してくれた他社にお願いすることにしました。
まとめ
ソーラーパネルや蓄電池の業者の選び方を間違えると、100万円単位でお金を損したり、あるいは会社がつぶれてしまってメンテナンスを受けられないといった不利益を被る可能性があります。下記記事では業者の選び方を紹介しています。
尚、住んでいる地域によって、工事をできる業者は変わってきます。ソーラーパートナーズやタイナビといったソーラーパネル・蓄電池の業者比較サイトを使うことで、お住まいの地域で施工可能な優良業者を一括で紹介してもらうことが可能です。両サイトで紹介される業者は異なるため、両サイトに登録するのがおすすめです。業者を紹介されたら、上記記事に記載した観点で業者を比較、選定していくと良いでしょう。



下記記事では、筆者が実際にソーラーパートナーズやタイナビ経由で紹介された業者から、どのような提案を受けたかを紹介しています。今回の記事は以上になります。