自宅に太陽光パネルや蓄電池を設置する際には、複数業者に見積もりを取ることや、必要事項をきちんとヒアリングすることが大切です。今回は、あおいホーム社に太陽光パネルと蓄電池の見積もりを取った結果と、感想を紹介します。
我が家の特徴
我が家の屋根は、下のように東西北面の屋根から構成されています。素材はスレートです。東西面に太陽光パネルを設置した場合、メーカーにもよりますが大体6kW程度の発電容量になります。反射光による光害が発生したり、夏場を除いてほとんど発電しないため、北屋根にはソーラーパネルを設置しないことが一般的です。筆者宅は東京都のため、東京都の補助金を受けることが可能です。

会社の特徴
今回見積もりを取得したあおいホームは、2015年創業の会社です。創業10年未満と、比較的歴史の浅い会社です。
太陽光パネルや蓄電池システムの施工のほかに、オール電化、カーポートや屋根・外壁塗装などの外構工事なども手掛けています。資本金は1,000万円、従業員数は34人です。
きっかけ
筆者が2023年6月に新居に引っ越した当日に、まだ引っ越しの段ボールが高く積みあがっている最中にあおいホームが我が家に営業にやってきたことがきっかけです。その場で図面を写真に撮ってもらい、1週間後に説明に来てもらう約束をその場でしました。
得意としている太陽光パネルメーカー
あおいホームはカナディアンソーラーを得意としており、正規の工事資格を保有しています。我が家の場合には長州産業のパネルの方が設置容量を大きくできるので、長州産業についても図面をお願いしたところ、なぜか設置容量が5.77kWとなり、他社が提案してくる6.23kWも低い提案となりました。
太陽光パネルの配置・枚数の計算方法
図面を元に、机上計算にて太陽光パネルの設置枚数・配置を計算してもらいました。契約後に、屋根に登って実寸を測定するとのことでした。
提案内容
初回
我が家に営業の方1人が来訪されて、対面で見積もりをもらい説明を受けました。
最初は東西だけではなく北面にも太陽光パネルを設置するという提案内容でした。一般的に北面へパネルを設置すると太陽光の反射により近隣トラブルを起こすことが多く、あおいホーム以外では勧めてこないどころか、はっきりとやめた方が良いと言われました。
蓄電池の容量は14.07kWhであり、我が家の二人暮らしで必要とされる容量の2倍以上でした。あおいホームいわく「このくらいの容量であれば、容量が増えても補助金も増額されるので負担金額は変わらない」とのことでした。これは目からうろこであり、他社でも同様の試算をしてもらったところ、正しかったです。
実質負担金額は150万円でした。
設置面…東西北
蓄電池…ダイヤゼブラ電機EIBS7、全負荷、容量7.04kWh×2台
実質負担金額…150万円(税込)
補助金適用前金額…455万円(税込)
2回目
上記のように北側設置について筆者から懸念を伝えたところ「私は大丈夫だと考えましたがお客様が懸念される場合には取り除きます」と言って、北側のパネルをなくしてもらいました。さらに、他社と相見積もりしている状況を伝えたところ、値引きが入りました。結果として、実質負担金額が120万円まで減額された下記の提案内容となりました。
設置面…東西
蓄電池…ダイヤゼブラ電機EIBS7、全負荷、容量7.04kWh×2台
実質負担金額…120万円(税込)
補助金適用前金額…368万円(税込)
この後の電話にてやり取りをしたところ「120万円よりは安くできない」「うちの会社は金利の低さ、つまり会社としての安定性を売りにしている。会社が倒産してしまっては定期メンテナンスも意味をなさなくなる」「太陽光パネルのほかにも、屋根や外壁塗装・カーポートの設置などトータルとしてお付き合いをしていきたい」とのことでした。
金利
仮にローンを組む場合の金利は1.6%です。これは筆者が見積もりを取得した8社の中では最安値でした。金利が安いということは、ローンを組む場合の支払い金額が安くなるというだけではなく、会社の経営状況が良いと銀行からお墨付きをもらっているということです。
メンテナンス
毎年の無償点検があるとのことでした。
営業の頻度
週に数回程度電話が掛かってきました。そのたびに、相見積もりを進めている状況を説明し、契約決定を先延ばしにしました。
足場の設置有無
工事の際に足場を設置するかどうか?については聞いていないためわかりません。一部の業者では、見積を安くするために足場を設置しないことがあります。パネルの工事では足場を設置しないと危なく、さらに不安定な工事となり施工の精度が悪化します。
結果
あおいホームは、突出した金利の低さや無償メンテナンスが魅力的です。また、外構工事を幅広く手掛けているので、新築住宅にカーポートや外壁を付けたい場合には、まとめて依頼するともしかしたらお得かもしれません。一方、北側へのパネル設置提案や高い費用はネックとなります。費用が実質120万円と他社の一般的な見積もりより40万円も高額になるのは、訪問販売の人件費が乗っかっているということなのでしょう。筆者宅の場合には長州産業の太陽光パネルの方が6.2kWと多く設置できるにも関わらず、同5.9kWのカナディアンソーラーの提案になっているのは、あおいホームが長州産業の工事資格を有していないか、あるいは仕入れ金額が高くなってしまうなどあまり勧めたくない事情があるのかもしれません。
結局、他社の方が40万円近く安く工事をできるということもあり、あおいホームには工事を頼みませんでした。
まとめ
ソーラーパネルや蓄電池の業者の選び方を間違えると、100万円単位でお金を損したり、あるいは会社がつぶれてしまってメンテナンスを受けられないといった不利益を被る可能性があります。下記記事では業者の選び方を紹介しています。
尚、住んでいる地域によって、工事をできる業者は変わってきます。ソーラーパートナーズやタイナビといったソーラーパネル・蓄電池の業者比較サイトを使うことで、お住まいの地域で施工可能な優良業者を一括で紹介してもらうことが可能です。両サイトで紹介される業者は異なるため、両サイトに登録するのがおすすめです。業者を紹介されたら、上記記事に記載した観点で業者を比較、選定していくと良いでしょう。



下記記事では、筆者が実際にソーラーパートナーズやタイナビ経由で紹介された業者から、どのような提案を受けたかを紹介しています。今回の記事は以上になります。