「家にソーラーパネルと蓄電池を導入したけれど、どの電力会社やプランを契約すればお得なのだろうか」と疑問に持ったことはないでしょうか。筆者が辿り着いた結論は「Looopでんきと契約する」という方法です。理由は、Looopでんきでは基本料金が無料になることと、電気料金の安い時間帯に蓄電池に電気を溜めることができることです。筆者宅の場合は、東京電力のスタンダードSプランよりも、年間で電気料金が13,335円安くなるという計算になります。以下に詳しく解説していきます。
筆者宅の電力事情
筆者宅は5.4 kWのソーラーパネルと、12.4 kWhの蓄電池を備えています。家の日当たりは良いため、日照量の増える春、夏、秋にはほとんど電気を買うことがありません。日照量が減り暖房使用量が増える冬には、使用する電気のうち35%程度を電力会社から購入しています。電気の契約容量は50Aです。
Looopでんきを選定する理由
筆者宅においてLooopでんきが最適な選択肢であると言える理由は2つあります。
1点目の理由は、Looopでんきの基本料金が無料だからです。ソーラーパネルの電力および蓄電池にためた電力で十分足りている場合には、電気料金の中で基本料金の占める割合が高くなります。電力会社にもよりますが、基本料金は1,000円台のことが多く、基本料金が0円になると電気料金は35%ほど安くなります。(計算結果は後述のパターン1に記載)
2点目の理由は、Looopでんきの購入電力単価が時間帯によって異なり、安い場合には20 kWh/円ほどとなるからです。夜間に蓄電池の電力が足りなくなると予想される場合には、同単価の安い時間帯に予め電気を購入しておくという運用をすることができるからです。
この「基本料金無料」と「電力単価が時間帯によって異なる」という2つの特徴を兼ね備えた電力会社は、Looopでんきのみです。
電気料金比較
パターン1・ソーラーパネルの発電量 > 家庭の電気消費量の場合
パターン1は、春、夏、秋などの比較的日照時間が長い時期に、ソーラーパネルの電気発電量が消費量よりも多くなっている場合です。ところで、電気料金の総額は、①式に示したように基本料金と使用料金の足し算になります。この時期には夜間に蓄電池が動いている場合に、系統への逆流を防ぐために0.1 kWというわずかな電気を購入するのみになります。よって、①式中の使用料金は小さい金額となり、基本料金の寄与が大きくなります。
(電気料金の総額) [円]=(基本料金) [円] + (使用料金) [円] -①
筆者宅の2024年8月のLooop電気の電気料金・総額とその内訳を、表1に示します。基本料金が0円となるため、電気料金の総額は使用料金のみで決まり、総額は1,784円となります。同じ期間に東京電力で契約していた場合の計算値を同様に表1に示します。基本料金は1,559円、使用料金は1,145円となり、総額は2,704円です。Looopでんきの方が月間で919円安くなり、仮にこの状況が9カ月続いた場合には8,274円安くなります。表1には筆者が以前契約していたENEOSでんきの計算値を参考までに載せています。ENEOSでんきと東京電力の総額の差は123円であり、それほど変わりません。
表1 パターン1における電気料金の比較(2024年8月の実績 or 計算)
電力会社 | Looopでんき | 東京電力 (スタンダードS) | ENEOSでんき | ||
---|---|---|---|---|---|
筆者宅の 電力事情 | 消費量 | [kWh] | 474 | ||
発電量 | [kWh] | 674 | |||
買電量 | [kWh] | 46 | |||
購入電力単価※ | [kWh / 円] | 39 | 25 | 22 | |
電気料金 | 基本料金 | [円] | 0 | 1559 | 1559 |
使用料金 | [円] | 1784 | 1145 | 1023 | |
総額 | [円] | 1784 | 2704 | 2581 |
※ 燃料費等調整額、再エネ賦課金を考慮した単価
(Looopでんきの請求書を載せる)
パターン2・ソーラーパネルの発電量 < 家庭の電気消費量の場合
パターン2は、冬に日照時間が短く発電量が少ないにも関わらずエアコンの暖房を使うことが多い場合です。筆者宅の場合、この時期には晴れていればソーラーパネルと蓄電池に溜めた電気で自宅の電気を賄うことができますが、薄曇りのときには夜間に蓄電池が空になってしまい、電気を購入することになります。筆者宅では2024年1月にENEOSでんきと契約していました。電気料金・総額とその内訳を、表1に示します。基本料金は1,476円、使用料金は2,958円となり、総額は4,437円です。仮にこの時期にLooopでんきと契約しており、単価が20円/kWhのときに電気を購入できたと仮定した場合の料金を同様に表1に示します。基本料金は0円、使用料金は2,720円となり、総額は2,720円です。ENEOSでんきの場合と比べてLooopでんきの方が月額で1,687円安くなり、3カ月間では5,061円安くなる計算になります。尚、ENEOSでんきと東京電力の総額の差は30円であり、ほとんど変わりません。
表2 パターン2における電気料金の比較(2024年1月の実績 or 計算)
電力会社 | Looopでんき | 東京電力 (スタンダードS) | ENEOSでんき | ||
---|---|---|---|---|---|
筆者宅の 電力事情 | 消費量 | [kWh] | 380 | ||
発電量 | [kWh] | 383 | |||
買電量 | [kWh] | 136 | |||
購入電力単価※ | [kWh / 円] | 20 | 22 | 22 | |
電気料金 | 基本料金 | [円] | 0 | 1476 | 1476 |
使用料金 | [円] | 2720 | 2931 | 2958 | |
総額 | [円] | 2720 | 4407 | 4437 |
※ 燃料費等調整額、再エネ賦課金を考慮した単価
尚、パターン2を達成するためには、夜間に蓄電池が無くなりそうな日に、予め電力単価が安い時間帯に蓄電池を溜めておくというやや手間のかかる運用が必要になります。この方法については下記記事をご覧ください。
尚、上記の運用を怠り、仮に平均電力単価30円で電気を買ってしまった場合の計算結果を表3に示します。Looopでんきと東京電力やENEOSでんきとの総額の差額は縮まってしまうものの、まだLooopでんきの方が安いことがわかります。
表3 パターン2において、Looopでんきの電力単価が30円/kWhだった場合
電力会社 | Looopでんき | 東京電力 (スタンダードS) | ENEOSでんき | ||
---|---|---|---|---|---|
筆者宅の 電力事情 | 消費量 | [kWh] | 380 | ||
発電量 | [kWh] | 383 | |||
買電量 | [kWh] | 136 | |||
購入電力単価※ | [kWh / 円] | 30 | 22 | 22 | |
電気料金 | 基本料金 | [円] | 0 | 1476 | 1476 |
使用料金 | [円] | 4080 | 2931 | 2958 | |
総額 | [円] | 4080 | 4407 | 4437 |
※ 燃料費等調整額、再エネ賦課金を考慮した単価
まとめ
今回の記事では、漠然と同じ電力会社と契約し続けるよりも、Looopでんきに切り替えることで年間10,000円以上安くなるということを解説しました。Looopでんきは違約金無しでいつでも解約できるため、まずは試しに使ってみてから決めるというのも有かと思います。今回の記事は以上になります。