「曇りの日だとソーラーパネルはほとんど発電しないのではないか」「曇りの多い地域だけれど、ソーラーパネルを取り付ける意味はあるのだろうか」などと悩む方は多いのではないかと思います。今回、筆者宅に取り付けたソーラーパネルにおいて、晴れの日と曇りの日の一日の総発電量(kWh)を測定し、比較しました。結論としては、曇りの日は晴れの日の42~57%発電するということがわかりました。以下に詳しく解説します。
ソーラーパネルシステム
我が家の屋根には、下図のように東西の屋根に長州産業製・Bシリーズの計5.44kWのソーラーパネルが設置されています。

計算方法
今回の記事では、下記の方法に従って各種データを抽出・参照しました。
長州産業の遠隔モニタリングサービスに蓄積されたデータから、各日の30分毎の発電電力量(kWh)を抽出しました。
気象庁のデータから、筆者が住んでいる地域の日照率を参照しました。
tenki.jpから、実績天気を参照しました。
発電実績
それでは、各天気ごとの発電実績を下記に示します。
快晴日(1月5日)
測定日は2024年1月5日、天気は終日快晴です。

この日の我が家のソーラーパネルの発電量の経時変化を以下に示します。総発電電力量は13.2 kWhとなりました。値は示しませんが、この時期の晴天時には他の日でも大体これくらいの発電量となります。尚、11:30~13:00台の発電電力量がその前後の時間帯よりも下がっているのは、西側の屋根に電柱の影が掛かっているためです。

曇りの日1(1月2日)
測定日は2024年1月2日、日中は一日中曇り、15時台に一時雨の日です。

この日の我が家のソーラーパネルの発電量の経時変化を以下に示します。総発電電力量は5.5 kWhとなりました。1月5日(快晴時)と比べると総発電電力量が42%まで低下しているという計算になります。尚、このグラフでは1月5日(快晴時)で見られた11:30~13:00台の発電量の落ち込みが見られなくなっています。

曇りの日2(1月3日)
測定日は2024年1月3日、日中は一日中曇りの日です。

この日の我が家のソーラーパネルの発電量の経時変化を以下に示します。総発電電力量は7.5 kWhとなりました。1月5日(快晴時)と比べると総発電電力量が57%まで低下しているという計算になります。

考察
曇りの日には、晴れの日に比べて発電電力量が52~57%まで低下するという結果でした。これは、曇りだったとしても、直射日光よりは強度の弱い散乱光がソーラーパネルに入射し、発電しているためです。曇りの日や、あるいは曇りが多い地域だったとしても、ソーラーパネルは有意義であることを示す結果です。
1月2日(曇りの日)の発電量のグラフでは、1月5日(快晴の日)のグラフで見られたような11:30~13:00台における発電量の落ち込みが見られないという結果でした。これは、散乱光によってソーラーパネルに全方位から光が当たるようになったからです。下記は、曇り時々晴れの日に、屋根にかかる電柱の影の様子を撮影した動画です。晴れになったタイミングでは電柱の影が表れていますが、曇りになったタイミングでは影が消失していることがわかります。よって、影が多くかかる建物の場合には、曇りの日の方が発電にとって有利に働く要素もありそうです。
今回の記事は以上になります。